レトロ玉手箱

昭和な家のレトロな道具たち

銅のヤカン・シンプレックスの笛吹ケトル

毎日使うとなるとたかがヤカンといえどもデザインや素材に凝りたくなる。
あちこち探して、気に入るヤカンが見つからずにはや2年。

たかがヤカン、されどヤカン。
笛吹が良い。
冬はストーブにものせて使いたい。
ピカピカに磨いて長く使えるものが良い。

憧れと希望は膨らむばかり(*´▽`*)

(/ω\)なのに生活苦。
( ゚Д゚)予算は減る一方

今日は銅製のやかんについて調べてみました。

シンプレックスの笛吹ケトル

ケトルと言えば、シンプレックスのケトルがカッコいい。
銅製品なのでIHには使えませんが、クラシカルな形がいかにもイギリス。
イギリスのウィリアム王子が結婚する際に贈られたとか。
価格もすごいのよ。プレミアがついて6万円前後。(2020.5月現在)

持ち手や蓋のつまみは木製です。
木製の持ち手は黒ずみやすいので黒い持ち手がいい。
大切に使えば一生ものになるケトルです。

独特の形は紅茶を淹れるのに最も最適な形なのだそうで、国が違えば求められるヤカンの形状もかわるようです。

このね、ケトルの注ぎ口なんだけど
なんか穴みたいなのあるよね。いらないよね、何コレ、みたいなことを考えていたら、どうもここに玉が仕込んであるらしくて水が沸騰すると音が出る仕組みらしい。

通常の笛吹ケトルってのは注ぎ口にフタ上の笛をかぶせて使うので、注ぎ口がフラットな形状をしているの。
そういう注ぎ口がフラットなヤカンではコーヒーをドリップするときに細くお湯がでてこないのだけど、シンプレックスのケトルは紅茶を淹れるために作られたケトルだから注ぎ口が美しいのね。

美しい注ぎ口を作るために中に笛吹部分を仕込んであるというこだわりの逸品。

ただ、私が昔見たシンプレックスのケトルは笛の部分がキャップになっていてかぶせるタイプでした。 

コイルケトルについて

コイルタイプには、やかんの下部にコイルがついています。
そのコイルが熱を効率的にやかんに伝えるのでとても早くお湯が沸くそうです。

ただ、現在の日本のガスコンロには熱感知センサーがついています。
コイルタイプのケトルでは感知センサーがやかんを感知できず、ガス火が弱火になってしまうんです。

ストーブにのせたり日本のガスコンロで使用する際はコイルケトルは多少の不自由がありそうです。

銅のやかんのメリット

熱伝導の良さ 

銅製品は熱伝導がとても良いので早くお湯が沸くと言われます。
火に直接あたっている部分だけでなく、全体が熱くなるので通常のヤカンより早く沸くのですね。

使い込むほどに深みを増す風合い

銅は使っていくうちに独特の風合いで色が変わっていきます。イメージとしてはピカピカ新品の10円玉と古い10円玉の色です。銅ですから。

長い時間をかけて道具を自分の手でアンティークに育てたい方には、この銅の色の変化はたまらない魅力のようでして、使い込んで深い銅色に変化したヤカンには『どんなに金を積まれても渡さないぞ』的な愛着を感じるのですね。
そういう方にとっては非常に所有欲を満たしてくれるケトルなのであります。手入れのし甲斐がありますね。 

銅のやかんのデメリット

まずそれなりに高価

素材が銅ですしね。オリンピックでも金銀銅のメダルがあるし、やっぱ高いんでしょうね。

ちなみにさきに紹介したシンプレックスのケトルは正規取り扱い店では6万円を超えるのがほとんど。どうも一度会社が倒産・生産中止したらしくて、生産が再開されたのかどうか知らないけど需要に供給が追い付いていないらしい。
実は10年以上前はこのケトル、少なくとも2万円でおつりが出ました。

数も少ないし
人気があるし
こりゃ日本だけプレミア価格なんだな
高いのはプレミアだからだな
日本人は吹っ掛けられたんだな
ヨーロッパで買えば1万ちょっとなんだろう
とか思ってアマゾンUKを調べていたら(ヨーロッパ版アマゾンのこと)、たしかに輸入すれば6万円前後になるだろうってお値段。

世界的なプレミア価格でした。( ゚Д゚)疑ってすいませんでした。

銅製品はすぐに指紋がついて汚れた感じになる

とにかく汚れが目立つ。指紋もつくし、油がくっついたらとれないし、鍋を磨くのがお好きな方以外は苦痛すら感じるレベルです。

これについては「あじ」という点と「使い込んだ風合い」という考え方が必要で、こまめな手入れができない方は手を出さないほうが無難でしょう。
同じ銅製でもクロームメッキを施してあるタイプは銅のような激しい変色がないので神経質にならずにすみます。しかも材質は銅なので熱伝導は優れています。

銅のケトルを使うなら、銅製品特徴を理解した扱いを心掛ける 

銅製品は食品に触れる部分に必ず錫メッキがなされています。

食材や水を入れて使う銅製品は内側に必ず錫メッキが施されています。というかメッキを施さなくてはいけないようになっています。
そして通常銅製品のメッキは錫をつかうのが一般的なのです。

ちなみにニッケルメッキが施されている銅製品もあり、価格帯は安い銅製品に多いです。なので、銅イオンが直接ヤカンの水に触れてどうのこうのという神経質な心配はしなくてもいいのです。

後にも述べますが錫メッキのやかんの場合、内部に水が残ったまま放っておくと黒いシミのようなものができます。

今は銅製品を身の回りに置かなくなっているので、銅についての知識が薄い方が銅製品を購入すると、

内側が銅じゃなかった(怒)
なんかメッキとかされてて、これってニッケル?(怒)
お湯を沸かしてすぐに乾かさないとシミのようなものがつくなら最初に商品説明欄に書くべき

とかいう恥ずかしいレビューを書く購入者も当然でてきます。
無知をさらしてレビューで怒るのは大変恥ずかしいので、良く理解してから購入してください。

銅のケトルで水を沸かすとおいしい、というのは多分に気分の問題が大きいです。

湿気を避けこまめに手入れ

銅製品は湿気の多いところに放置したり、水に浸けた状態でいると緑青(ろくしょう)がでてきます。昔、緑青は毒であるというふうに言われていましたが、現在の見解では毒性はないそうです。ただ緑青が出ている状態は見栄えが悪く錆が浸食するのできちんと手入れしたほうがいいのですね。

銅の汚れや錆を取る一番手っ取り早い方法は酢と同量の塩で磨くと良いそうです。いわゆる銅の表面上で化学反応を起こすワケですね。すると新品の輝きが蘇るそうです。

  ケトル・やかんに水を入れたまま放置しない

やかんでお湯を沸かしたらすぐにポットに移してやかんを空にします。そうするとやかんの熱で中がすぐに乾きます。これだけです。これはまあ常識ですね。

使っていると内側にシミのような点ができることもあります。これ、どうしてもそうなってしまうんですよ。なので気にしないで下さい。たまに「シミが出た!説明欄にかいてなかった!」的なヒステリーを起こす方もいらっしゃいますが、ご本人の常識レベルがケトルを扱えるレベルに達していないだけです。

IHは使えない・オールメタル対応IHは使用できるものもあります

銅製ですから銅のケトル・ポットの類はIHが使えません。
ただ、オールメタル対応タイプのIHをお持ちの方は銅製品が使えるタイプなのか確認の上ご使用になってください。 

まとめ

買うとなると高価な銅のやかんですが、
ヨーロッパでは古くから真鍮とともに銅の鍋が使われ磨かれていました。今でもアンティークとして市場に出回っています。つまり愛着をもって大事に使えば一生ものです。

一生、毎日使うと思えばそれなりに奮発していいものを選びたくなりますね。冬はストーブに乗せて使っても絵になります。
使うほどに味わい深くなる銅のケトルなら、日々繰り返す暮らしの風景も美しくなりそうです。

ただし、シンプレックスのケトルはアンティーク・中古以外では手に入れるのが難しくなってきているので、他のヤカンを探したほうがいいと思います。

 

ちなみに後日、吟味しながら私が購入したのはこちらです。

retoro.hatenablog.jp

 鉄瓶も素敵なので、ぜひ使ってみてください。 

retoro.hatenablog.jp